TOP > DMU卒業生のインタビュー > DMU卒業生インタビュー 医療法人社団博施会理事長 / 医師 大橋 直樹様
2020.05.26
Voice.10
“既存顧客CRMのビジネスモデルで新たな事業を持たないといけないと思うようになりました。CEOでありながらCMOとしてマーケティング戦略を考えていきたいです。”
INTERVIEW
当院では患者さんの多くが具体的な病名でクリニックを検索して受診を決めてくださいます。Googleのアルゴリズムのアップデートで検索順位が落ちて困っていました。しかし、これを機に検索順位で一喜一憂するよりも、もう少し攻めのマーケティングができないかと考えていました。また、マーケティングに関して一人で勉強するよりも、業種は違っても、志を同じくする方々と一緒に切磋琢磨して学べる環境が欲しいと思っていました。
まずは体験会に参加した際にツールを紹介してもらって、その中で自社のWEBサイトを診断してみたり、SEOやマーケティングが自動化できるということをおしえていただいたりしました。
ひとまずはSEOの大まかな手法やトラフィック解析がわかれば、現在の状況を改善し、まもなく別の地域に増設する新しい医療機関の集患にも有用であろうと考えました。
すべての講義において学びは多かったのですが、特にROIのchapterやロジックツリーを実際に書いてみる課題が良かったです。そして徳原先生のCRM・データベースの講義も見込客を顧客に転換する方法や、響くメッセージを作るにはどうすれば良いか、などはデジタルマーケティングに限らないマーケティングの基本です。
DMUで重要ポイントを体系的に教えていただいてよかったです。
私の場合は予備知識がほとんどありませんでしたが、推薦図書を読みながら、まずは言葉や概念に慣れていくように努めました。6回の講義で必要な分量をバランスよく学べたと思います。受講期間には課題が与えられます。難しい課題もありましたが、メンターがウェブ会議を使って指導してくれました。
実際に手を動かしてペルソナやカスタマージャーニーを作り込むのには時間がかかりましたが、顧客の「見える化」ができたことは非常に大きなことでした。
皆でやってみようとか、フィードバックし合ったりするような機会がないと、なかなか自分だけでは完遂できません。デジタルの時代にあえてオフラインでも顔を合わせる仲間たちとの取り組みがかけがえのない成果につながりました。
DMUのクラスメイトの一部とは今でもやりとりがあり、日々のマーケティングやキャリアパス全般で助言をしあったり、情報交換をしたりと特に日常業務で利害のない仲間たちと苦楽を共にした経験は、社会人となり周りと一線を引いていた私にとって大きな支えとなっています。
欧米の会社はトップダウンでマーケティングを行いますが、日本は組織的にこの仕組みがないケースが多く、意思決定のスピード遅い。そういった構造的なことも学ばせていただきました。
自社の場合でも、これまでコンサルタントからの一方通行の提案に従っていたのみですが、代表者自らが指示を出すという方針に転換しました。
幸い、自社の経営戦略チームは現在、FPサービス株式会社と船井総合研究所から出向してきてくれているスタッフ5名で固めており、彼らはこれまでも種々の有益な提案をしてきてくれましたが、これまでは、彼らにお任せという放任スタイルだったのです。
共通言語が高度に共有され、私からの指示も発せられるようになり、各回のミーティングは活発化。双方向から具体的な戦術のアイデアを出せるようになりました。
自社サイトのユーザビリティ調査とそれに基づいた改善施策、Facebook広告の導入、広告文の見直し、カスタマージャーニー資料に基づくマンガ制作はDMU受講中に私自らの指示で開始されたことです。
最初は自分がやりたい手術ができるようにと思って開業しましたが、自分たちも既存顧客CRMのビジネスモデルで新たな事業を持たないといけないと思うようになりました。新規顧客獲得にフォーカスしすぎるのは極めて危険です。
したがって、継続受診が前提の慢性疾患のクリニックをもうひとつ作ることにしました。受講中に習ったCRMの形成やマーケティングオートメーションの手法をさっそく採り入れたいと思っています。リピーターが増えやすいビジネスモデルを確立すること。今後のビジョンを考えると正しい解だと思っています。その確信を持たせてくれたのが今回のDMUでの学びでした。
CEOでありながらCMOとしてマーケティング戦略を考えていきたいです。
マーケティングに取り組む志に大きな積極性が芽生えた現在では、医療機関トップがCMO(chief marketing officer)として機能する例として他の医院の手本を目指しています。
現に医療機関もマーケティングに無策であれば休廃業に追い込まれるケースも増えています。その数はこの5年で3倍に増えたと言われています。医療の技術が優れているだけではなりたたないという警鐘です。
医者がマーケをするのははしたないという考えは改めるよう私自身が関与する経営セミナーで説いて回っています。
ブートキャンプの名に恥じず、密度の濃い受講期間でしたし、私の場合は無知からのスタートであったため、理解不十分の部分は継続学習が必要です。現在もメンターのフォローは大変手厚く、もうしばらくご指導継続いただけたら幸いです。また、GoogleAnalyticsなどのスピンオフ勉強会やセミナーなど、単発の講座があれば良いと思います。実施する際はお知らせいただければと思います。